平成19年5月23日 日刊「新周南」
下工弁慶号が大鉄道博覧会に
7月〜・江戸東京博物館に貸し出し
“満100歳”休む間なく全国の舞台へ
桑名市から帰ってきた下工弁慶号(4月2日)
100歳を迎えた下松市のミニSL、下工弁慶号が7月10日から9月9日まで東京墨田区の江戸東京博物館で開かれる大鉄道博覧会に貸し出される。3年間貸し出した三重県桑名市から4月に帰ってきたばかりだが、今度は全国のひのき舞台での展示になり、ふるさとで休むひまもない人気。
下工弁慶号は全長4メートル、車輪の幅は762センチの狭軌で、1907年(M40)に石川島播磨重工業が製造した。徳山海軍燃料廠で石炭運搬に活躍し、下松工高で原動機実習機材として使われ、96年(H8)に市に寄贈され、市役所前に格納庫を作って保管してきた。
貸し出した桑名市などの北勢線対策推進協議会では1年半がかりで修理し、三重労働局の走行検査にも合格。月1回の走行にはたくさんの観光客が訪れ、地域活性化に貢献したという。
大鉄道博は同博物館や東京都歴史文化財団などの主催。鉄道黎明期▽旅・移動と鉄道▽高度成長期の鉄道と社会▽昭和を駆け抜けた鉄道車両▽文化と鉄道▽レールは未来へ−の6つのコーナーで、下工弁慶号は目玉として「鉄道黎明期」コーナーに展示される。
同展には特急つばめの展望車の実物大模型▽昭和30年代に活躍した列車数十本の模型▽集団就職や修学旅行などの写真もある。車両も鉄道の転換期になった昭和30年代のものを中心に紹介し、都市や社会、文化に与えた影響をたどる。
下工弁慶号の同博覧会展示は19日に開かれた下松工高同窓会、下松工業会の総会で井川市長が報告し「市と下松工高のシンボルが全国の舞台に並ぶのはこの上ない誇り」と述べた。
下工弁慶号は現在、システム機械科3年生4人が図面化へ採寸作業をしており、これが終わるのを待って6月末にトラックで出発する。同博覧会は一般1,100円、学生840円、小中高校生と65歳以上450円。当日券は200円増し。同博物館は03-3626-9974。 |